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首都高バトルR

©元気
「首都高バトルR」は1997年に元気からリリースされたレースゲーム。
ハードの急激な進化に伴い特にフライトゲームやドライブゲームが進化著しかった中、市販車で公道を走るレースゲームの代表格として名の知れたシリーズである。
シリーズ通算5作目でありプレイステーションでは最後の作品。
オトナの事情でホンダ車が登場しなくなる前のもので当時フラッグシップだったNSXが普通に出演しているが、もともと許可は取ってないので正確には「NSXのような何か」である。(ほかのクルマも同じ)

今作では阪神高速がシリーズで初めて登場する。
首都高バトルというタイトルなのに阪神高速?と思うかもしれないがそれは電車でGO!なのに気動車が出てるぞというツッコミくらいヤボってもんだろう。
何より関西人の私にとっては大阪が首都のようなものなので間違いではない。

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登場するのは「東京環状線」「東京湾岸線」「大阪環状線」「大阪湾岸線」の4コースで、ここでは大阪の2コースを採りあげる。
「大阪環状線」という名称は関西人なら鉄道ファンならずともまず真っ先にJRの大阪環状線が思い浮かぶのだが、単にゲーム内で呼びやすくするためにわざとこうした事も十分考えられる。
このメーカーは昔から公道レースゲーム製作の際、自社できちんとその都度取材を行ってることが当時のゲーム誌でもよく紹介されていたが、さすがに地域の慣習までは再現しきれなかったのだろうか・・
ただそのおかげで「あるもの」をゲーム内に残すことが出来たのだがそれについては後述。
コース自体は阪神高速1号環状線をほぼ忠実に再現していて、実物同様時計回りに周回する。
スタート地点は船場西。

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「大阪湾岸線」は阪神高速4・5号湾岸線全線を走破する。
実寸にするとそれなりのロングランである。
コース自体は阪神高速4・5号湾岸線を直線区間中心にかなり短縮し、橋などの特徴的な建造物で魅せる湾岸ならではの造りになっていて、5号線は東行き・4号線は南行き・トータルで時計回りに周回する。
ループさせるために実際よりも全体的に右カーブがキツめになっていて、関空連絡橋を抜けると関西空港ではなく六甲アイランドに出ることで無理矢理周回する。
スタート地点は魚崎浜。

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操作性は実車に忠実がウリのシリーズの中ではお世辞にもリアルとはいえず、急コーナーは車種やセッティングを問わずグリップよりドリフトで曲がったほうが絶対に速いという「リッジレーサー仕様」である。

一般車の中に富士急バスのエアロクイーンが登場する。
富士急バスといえば富士スピードウェイへのアクセスは勿論、サーキットを実際にバスに乗ったまま走る観光ツアーなども行っているので決してレース界とは無縁と言えない存在。
何らかの形で富士スピードウェイに居た際に富士急バスを見かけてついでに取材しカタチにした可能性も十分ある。

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松原線分岐点のコーナーを100km/h超で攻める富士急バス。
もちろん実物の富士急バスの運転は上品であるが、今世間にはびこるニセ高速バスことツアーバスを10年早く先取りしたものかも知れない。

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これは船場東分岐点の看板なのだが、よく見ると3号神戸線の看板の表記が本来の「京橋(神戸)」ではなく「武庫川」になっている。
このゲームは阪神淡路大震災の翌々年に発売されたのだが、これは震災で崩壊してしまった3号神戸線が武庫川出口まで暫定開通した状態であり、ゲームの中に刻まれた震災の記録なのだ。
同時にこのメーカーがきちんと実地の取材を行っている証拠でもある。

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湾岸線は魚崎浜からスタートする。

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西宮浜大橋。
広い道幅に緩めのカーブが続く。

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尼崎末広を通過。
「大阪」湾岸線を名乗ってはいるが実はこの辺りまでは兵庫県である。
ここでも富士急バスは一般車として登場。
なお実際の富士急バスには当時も現在も阪神高速を走行する定期路線バスは存在しないのでこれらは貸切運用と解釈するのが妥当だろう。

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そして実地同様天保山ジャンクションを過ぎると難易度が急激にハネ上がる。
天保山大橋両端の谷底急カーブとその先の16号大阪港線との合流地点手前の右直角コーナーはこのコース随一の難所。

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関空連絡橋の前には当時計画段階、現在は完全に頓挫したゲートタワーが2本とも見事に完成している。
実物はご存知の通り向かって左の1本しか建っていない。

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連絡橋を渡った先は関西空港ではなく六甲アイランドになっている。
そこから魚崎浜に行き1周となる。
なおトッテモ真面目で硬派なゲームなのでバスはプレイヤーが使うことは出来ない。
眺めのとてもいいこのコースは関西空港交通の三宮線(六甲アイランド経由便に限る)で全線を走ることが出来るのでリムジンバスは敬遠しがちな乗りバス派の方も一度乗ってみてはいかがだろうか。
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